平均寿命の折り返し地点を過ぎて思うこと

人生の後半にさしかかっているにもかかわらず、何気に暮らす日常に思いをめぐらす。

もうすぐバリヒンドゥー教の正月「ニュピ」です。

2018年になって、もう3月になっている。月日の流れの速さにいつも驚かされます。

さて、毎年3月の中旬から4月頭にかかるくらいの時期は、バリヒンドゥー教の静寂の日で「ニュピ」がやってきます。バリの正月とも言われますが、日本のお正月のような日とは大違いです。

ちなみにバリヒンドゥー教では、「サカ暦」と「ウク暦」の2つの暦を使っており、サカ暦は太陰、太陽暦で計算して1年となり、ウク暦は210日が1年になります。そしてこのニュピや農耕儀礼はこのサカ暦に基づいており、その他の多くの宗教行事は「ウク暦」に基づいていますが、ただバリ・アガの村(古くからの伝統を守る村)にあるお寺や、16世紀以前に建立された一部の寺などの建立祭(オダラン)は、サカ暦に基づいている所もあるようです。とにかく日本人の私にはこの暦を理解することは難しく、バリ人でさえもちょっと難しいようなので、主に皆、バリカレンダーを見ていつがどの祭事、いつがこの行事には良いなどを判断しています。

さて「ニュピ」ですが、今年は、2018年3月17日となりまして、静寂の日となるため、観光客と言えども外出は禁止されており、空港や港も閉鎖されます。夜は明かりを付けることも禁じられ、ホテルなどでは敷地内であれば、日中はプールで遊んだり、夜は電気の使用が可能であったりしますが、プライベートハウスはもちろんですが、小規模なホテルやホームステイでも夜の電気の使用は禁止されたりするので、天気が良いと、空には満点の星空を見ることが出来ます。もう「真っ暗闇とはこれなのか」と思うほどむちゃくちゃ真っ暗になり、目をつぶっているのか、明けているのかが分からなくなるぐらいです。たった1日ですが、どれだけ電気消費に貢献していて、外出も禁止されるので、車やバイクも走りません。よって二酸化炭素の排出も軽減され、エコに良いのかと思います。
もちろん、最初は不便を感じた事もありましたが、さすがに過去18回ものニュピを経験しているので、もう苦では無いのですが、たった1日なので、世界中でこのような行事を行えば、どれだけ地球温暖化に貢献でき、そして電気のありがたさ、日常の便利のありがたさを理解できるのだろうと思うのですが。

ニュピの本来の目的は、ニュピ数日前から前日までにいろいろな行事を経て、悪霊を起こして追い払い、そして静寂の日のニュピにその悪霊が完全に去るのを静かに過ごし、瞑想などをして待つ日なのですが、仕事も出来ませんので、仕事に追われる我々現代人には、心と精神を休めるすばらしい日にもなるのです。

よって、私は推奨します。世界各国「ニュピ」を1日作りましょう。みんな仕事も出来ないので、誰かを出し抜いてどうこうしようという事も出来ないため、皆が安心してゆっくりとリラックスして過ごせ、そして尚且つエコにも役立つという素晴らしい1日を、ぜひお考え下さい。

尚、もちろん病気などの緊急の場合は、外出許可が出ますので、ご安心ください。
とにかくなんでも試してみるに限るので、バリ島のニュピ体験をしてみませんか?ぜひ、本物を味わう為に、大型ホテルに宿泊するのではなく、ホームステイなどでリアルなニュピをお試しあれ。

この写真はオゴオゴといって、張りぼての鬼の様なものです。このオゴオゴを担いで、若者たちが村中でをニュピ前夜に練り歩きます。優秀な作品には賞も与えられたりします。ニュピの1ヶ月前位から、子供はもちろんですが、大人の男衆もこのオゴオゴの製作にソワソワしだします。いくつになっても男は子供なんだなと感じる時です。

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